エアコンの急に酸っぱい臭い原因と対策!16度冷房で消える?

エアコンから酸っぱい臭いが発生するイメージと「故障ではありません」というチェックマークのイラスト。

こんにちは。ガジェッター 暮らしアップデート、運営者の「Gio」です。

休日の午後、快適なリビングでくつろいでいるとき、エアコンから前触れもなく「酸っぱい臭い」が漂ってきて、せっかくのリラックスタイムが台無しになった経験はありませんか。さっきまでは高原のような涼しい風が出ていたのに、室温が落ち着いたと思った途端、なぜかお酢や生乾きの洗濯物のような強烈な刺激臭が吹き出してくると、故障なのか、それともカビが原因なのかと不安になってしまいますよね。実はこの「急に臭くなる」という現象には、現代の住宅事情やエアコンの省エネ制御が絡み合ったメカニズムが関係していることが多く、条件がそろうと起こりやすくなります。そしてそれは、エアコン内部に汚れ(ホコリ・皮脂・油分・微生物由来の汚れ)が蓄積している可能性を示す“注意サイン”でもあります。

私自身も過去に、友人を招いたホームパーティーの最中にこの強烈なニオイが発生し、冷や汗をかいた苦い経験があります。しかし、その正体と正しい対処法を知っていれば、慌てずに自分で一時的に軽減させることも可能ですし、プロに依頼すべきタイミングも的確に判断できるようになります。

この記事でわかること
  • エアコンから酸っぱい臭いが発生するメカニズムと起こりやすい条件
  • 今すぐ臭いを抑えたい時に効果が期待できる「16度冷房」などの応急処置法
  • 火災リスクもある「やってはいけないNG行動」と日常の予防策
  • 根本解決のために必要なプロによるクリーニングの相場感と判断基準
目次

エアコンから急に酸っぱい臭いが発生する原因

「スイッチを入れた直後は爽やかな風なのに、しばらくして部屋が冷えると急に酸っぱい臭いがしてくる」というのが、このトラブルの典型的なパターンです。実はこれ、エアコンが壊れたわけではなく、部屋の空気環境とエアコンの運転制御(能力を絞る/送風に近い状態へ移行する動き)が関係して起こる“起こりやすい現象”の一つです。ここでは、なぜあの独特な酸っぱいニオイが生まれるのか、その正体を深掘りしていきます。

冷房中に酸っぱい匂いが広がる仕組み

エアコンを使っていると突然ニオイが発生するのは、主に「サーモオフ」(冷やしすぎないために能力を抑える状態)に切り替わったタイミングで起こりやすいです。このメカニズムを理解しておくと、原因が故障とは限らないことがわかり、対策も立てやすくなります。

最近のエアコンは省エネ性能が高く、インバーター制御によって運転をきめ細かく調整しています。リモコンで設定した室温に近づくと、それ以上冷やしすぎないように、コンプレッサー(室外機にある圧縮機)の稼働を弱めたり一時停止したりする制御が入ることがあります。その結果、室内機からは「しっかり冷えた風」ではなく、相対的にぬるく感じる送風に近い風が出ることがあります。こうした状態を一般に「サーモオフ」と呼びます(※機種や運転モードにより挙動は異なります)。

エアコン内部の断面図。冷房運転中は結露水が臭いを吸着し、サーモオフ時は乾燥して臭いを放出する様子の比較図解。

冷房運転がしっかり効いている時(能力を出している時)、室内機の内部にある熱交換器(アルミフィン)は冷え、空気中の水分が結露して水滴が付着します。この時、空気中に含まれるニオイ成分や微細な汚れの一部は、結露水に取り込まれたり、湿った面に付着しやすくなったりします。ニオイ成分が水分や湿った汚れに“保持”されている間は、空気中に広がりにくく、結果として臭いを感じにくいことがあります。

ところが、サーモオフ寄りになって冷媒の供給が弱まる(または止まる)と、熱交換器の温度は徐々に上がり始めます。すると、フィン表面に残っていた結露水が、送風される風によって蒸発(気化)しやすくなります。いわゆる「湿度が戻る」「内部の湿りが戻る」状態で、吹出口付近がムワッと感じられやすいタイミングです。

問題はここからです。水分が蒸発していく過程で、それまで水分や湿った汚れに“保持”されていたニオイ成分が、風に乗って出やすくなります。さらに、吹出口付近の湿度が上がると、鼻の粘膜が反応しやすくなり、同じ濃度でも臭いを強く感じることがあります。その結果、「さっきまで無臭に近かったのに、急にモワッとした濃厚な酸っぱい臭いが広がる」という現象が起きやすくなるのです。つまり、あの臭いは“突然ゼロから発生した”というより、内部に蓄積・保持されていた成分が“出やすい条件になった瞬間”に強く感じられる、と捉える方が実態に近いです。

ここがポイント
「急に」臭うのは、冷房能力が落ちる(サーモオフ寄りになる)ことで内部の水分が乾き始め、保持されていた臭気が出やすくなるタイミングが重なるためです。

汗や皮脂が変質した成分も臭いの元

そもそも、なぜそのニオイが「酸っぱい」と感じられるのでしょうか。カビ臭いだけなら分かりますが、鼻を突くようなツンとした酸味のあるニオイが混ざるのはなぜでしょう。その要因の一つとして考えられるのが、私たち人間の生活から出る皮脂や油分が時間とともに変質していくことです。

夏場は特に、人の肌から蒸発する汗や皮脂、そして生活臭の成分などが空気中に漂っています。また、最近の住宅で主流となっているLDK(リビング・ダイニング・キッチン一体型)の間取りでは、調理中に発生する油煙(オイルミスト)もエアコンに吸い込まれていきます。これらがエアコン内部のフィルターをすり抜け、熱交換器や送風ファンに付着していくことがあります(特に油分は粘着性があり、ホコリと絡んで残りやすいです)。

付着した皮脂や料理の油分は、時間の経過とともに酸化・分解などの変化が進みます。この過程で、酸っぱい・すえたような臭いに関係し得る成分として、低級脂肪酸(例:イソ吉草酸など)が挙げられることがあります。これらは揮発しやすいものもあり、ツンとした刺激臭として感じられる場合があります。なお、臭いの感じ方や成分の組み合わせは環境や付着物によって変わるため、「必ずこれだけが原因」というより、複合要因の一つとして理解すると現実に即しています。

人の汗・皮脂、料理の油煙、カビ・雑菌がエアコン内部で混ざり合い、酸っぱい刺激臭が発生する過程のイラスト。

例えば、焼肉やホットプレート料理をした翌日にエアコンをつけると、酸っぱい臭いが強く感じられることはありませんか?これは、空気中に漂った油分や料理臭の成分がエアコンに吸い込まれ、内部の汚れと混ざった状態で“臭いが出やすくなる条件”が重なった結果、刺激臭として感じられやすくなるためです。人間の生活臭と料理の油がブレンドされ、エアコン内部に蓄積した汚れの中で臭いが強まることがあり、この酸っぱい臭いは、カビ臭とは別の「汚れの変質による臭い」が関係しているケースもあります。

内部に繁殖したカビや雑菌の影響

皮脂や油分などの“汚れの臭い”に加えて、生物学的な臭いの原因となるのが、エアコン内部の湿った環境で増えやすい微生物(カビや細菌)です。酸っぱい臭いの背景に、カビ臭・土臭さが混ざっている場合は、微生物由来の臭いが関係している可能性もあります。

冷房シーズンのエアコン内部は、結露水で濡れやすく、条件によっては高湿度状態が続きます。暗くて湿気があり、さらにホコリや油分などの“栄養源”があると、カビ(真菌)や細菌が増えやすい環境になります。

具体的には、「アスペルギルス」や「ペニシリウム(アオカビ)」といった一般的なカビ類が見つかることもあります。また、ドレンパン(水受け皿)など水が溜まりやすい場所では、浴室で見られるようなピンク色のヌメリ(バイオフィルム)が形成されることもあります。これらの微生物は、代謝活動の過程で「微生物由来揮発性有機化合物(MVOCs)」と呼ばれるガスを放出することがあり、これがいわゆる「カビ臭さ」や「土臭さ」として感じられる一因になります。

厄介なのは、これらの微生物由来の臭いが単体で存在するのではなく、先ほどの油分・皮脂由来の酸っぱい臭いと複雑に混ざり合うことです。カビのムッとする臭いと、汗や油の変質による酸っぱい臭いが合わさることで、エアコン特有の不快な「酸っぱいカビ臭」として強く感じられることがあります。

また、臭いだけでなく、汚れが多い状態では、送風により微細なホコリやカビ由来の粒子が室内に舞いやすくなる可能性も否定できません。こうした環境は、人によってはアレルギー性鼻炎などの健康トラブルの一因になることもあるため、「たかが臭い」と侮らず、空気環境が悪化しているサインとして受け止めることが大切です(※感じ方や影響には個人差があります)。

複合的な悪臭
カビ臭い土のようなニオイと、皮脂・油分の変質による酸っぱいニオイが混ざり合うことで、エアコン特有の不快な臭いとして強く感じられることがあります。

設定温度と湿度“戻り”が臭う理由

近年の高気密高断熱住宅(ZEHや長期優良住宅など)では、エアコンの効きが良くなっています。これは省エネの観点からは素晴らしいことですが、運転の切り替わりが増えると、臭いが“出やすいタイミング”が生まれやすいケースがあります。

断熱性能が高い部屋でエアコンを使うと、外の熱が入りにくいため、短時間で設定温度に到達しやすくなります。するとエアコンは「もう冷やす必要は少ない」と判断して能力を絞り、送風寄りの状態に移る時間が増えることがあります。結果として、強く冷やして除湿している時間が短く、送風に近い運転で内部の湿りが変化する時間が長くなる――という状態になりやすいのです。

この“能力を絞っている時間が長い”状態が続くと、熱交換器が温まって結露水が乾きやすくなり、臭気成分が出やすい条件が重なって臭いを感じやすくなることがあります。多くのユーザーが「設定温度を27度や28度に上げたら急に臭くなった」と感じるのは、設定温度を上げたことで冷房能力が落ちる(=能力を絞る時間が増える)タイミングが増え、臭いを感じやすい条件に入りやすくなったため、と説明できます。

また、高級機種に搭載されている「再熱除湿」ではなく、普及価格帯のエアコンに多い「弱冷房除湿」方式の場合、除湿しようとすると部屋が冷えやすく、結果的に運転の強弱が頻繁になり、体感として湿度が思ったほど下がらないと感じることもあります。物理的に避けられない側面もありますが、臭いが発生するということは、根本的には「内部に臭いの元になる汚れがある」可能性が高い、という点に尽きます。

エアコンの急に酸っぱい臭いを消す効果的対策

原因がわかったところで、次は具体的な対策を見ていきましょう。「今すぐ来客があるからどうにかしたい」という場合の応急処置から、長期的なメンテナンスまで、状況に合わせた解決策をご紹介します。

窓全開で16度冷房にする応急処置法

「今すぐこの臭いをなんとかしたい!」という緊急事態において、クリーニング業者や各種サービスの解説でも、応急処置の一つとして紹介されることがあるのが、「16度冷房・窓全開」というテクニックです。万能ではありませんが、条件が合えば臭いが軽減するケースがあります。

具体的な手順は以下の通りです。

  1. まず、部屋の窓を2ヶ所以上開けて、換気扇も回し、空気の通り道を確保します。
  2. エアコンのリモコンを取り、冷房モードで設定温度をその機種の最低温度(一般的には16度~18度)に設定します。
  3. 風量は自動か強風にし、その状態で1時間ほど運転し続けます。
応急処置の3ステップ。1.窓を2ヶ所以上開けて換気、2.冷房を16度に設定、3.1時間運転し続けるイラスト。

「そんなことをしたら電気代が怖いし、部屋が寒くなりすぎるのでは?」と心配になるかもしれませんが、窓を全開にしているため、外の熱い空気が入ってきて室温は極端には下がりにくいです。この方法の狙いは室温を下げることというより、熱交換器をしっかり冷やして結露水を多く発生させ、臭いの原因になっている成分の一部を排出しやすくすることにあります。

設定温度を最低にすることで、コンプレッサーは比較的止まりにくくなり、熱交換器はより冷えやすくなります。すると表面には空気中の水分が結露して、多くの水滴が発生します。この結露水によって、軽度の汚れや水に溶けやすい臭い成分の一部が洗い流され、結果として臭いが弱まることがあります。いわば、自分自身の結露水を使った“セルフすすぎ”に近いイメージです。

熱交換器がフルパワーで冷やされ、大量の結露水が汚れを洗い流している断面図のイラスト。

さらに、コンプレッサーが止まりにくい=能力を絞る時間が減ることで、臭いが出やすいタイミング(送風寄りの状態で内部が乾き始める時間)が相対的に少なくなる点も、体感改善につながることがあります。なお、1時間後に運転を停止する前に送風運転などで内部を乾かす意識を持つと、再発予防にもつながります(機種に「内部クリーン」があるなら、それを活用するのも有効です)。

水漏れや異音に注意
この方法は大量の結露水が発生するため、ドレンホース(排水管)が汚れで詰まり気味の場合、排水が追いつかずに室内機から水漏れするリスクがあります。実施中はエアコンの下にタオルなどを準備し、異音や水漏れがないか様子を見てください。異常を感じたら直ちに停止し、無理をしないことが大切です。

暖房乾燥で臭いを飛ばす方法と注意点

真夏以外の時期や、冷房を使うほどではないけれどニオイが気になる場合、あるいはカビが増えやすい環境を避けたい場合には、「暖房」を使った加熱乾燥も有効になり得ます。夏場に暖房をつけることには抵抗があるかもしれませんが、“内部を乾かす”という目的に絞れば理にかなったメンテナンス手段です。

カビは湿気の多い環境で増えやすく、乾燥すると活動しにくくなります。エアコンの設定温度を高め(例:30度など)にして一定時間「暖房」運転を行うと、内部の温度が上がり、水分が蒸発しやすくなって乾燥が進みます。熱交換器やファン周辺の湿りが減ることで、結果としてカビが増えにくい状態に近づけることが期待できます(※効果の感じ方や必要時間は機種・環境で変わります)。

エアコンから暖房の風が出ているイラスト。「入室禁止」マークと共に、換気を行いながら人がいない状態で実施する注意書き。

また、ニオイ成分の中には揮発しやすいものもあるため、熱を加えることで気化が進み、風に乗って室内へ出やすくなる面があります。「焼き切る」という表現は比喩ですが、“熱で乾かして臭いの出方を変える”というイメージだと理解しやすいでしょう。多くのエアコンに搭載されている「内部クリーン機能」も、基本的には内部を乾燥させる発想(送風や温風などで水分を減らす)を利用しています。

ただし、この方法には副作用があります。内部に溜まっていたニオイ成分が一時的に出やすくなるため、運転開始直後に臭いを強く感じることがあります。また、当然ながら室温も上がります。

ですので、この対策を行う際は、部屋に人がいない状態で、窓を開けて換気しながら実施するのが安全です。終了後も換気を続け、気になる場合は床や家具の上のホコリを軽く拭くなど、室内側のケアもしておくと安心感が増します。

市販の洗浄スプレーは使わないのが無難

ドラッグストアやホームセンターに行くと、「エアコン洗浄スプレー」が安価で販売されており、「これ一本でニオイもカビもスッキリ!」といった魅力的なキャッチコピーが踊っています。しかし、ガジェッターとしての私の見解、そして安全性の観点からは、安易なスプレー洗浄はおすすめしません。特に内部の電気部品周辺に液が入り込むリスクを考えると、初心者にはハードルが高い作業です。

その最大の理由は「火災リスク」です。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、誤ったエアコン洗浄による事故について注意喚起を行っています。

エアコン洗浄スプレーに禁止マークがついたイラスト。電装部品への付着によるトラッキング現象と火災の危険性を示す図。

NITEの注意喚起の趣旨として、洗浄液が内部の電気部品(基板や端子台)にかかってしまうと、トラッキング現象などにより発火する恐れがあります。つまり、「洗浄液が電装部に付着する可能性」がある時点で、家庭での内部洗浄はリスクが跳ね上がるということです。安全の観点では、内部洗浄は知識のある業者に任せる方が安心です。

NITEによる注意喚起
「エアコンの内部洗浄は正しい知識を持った業者に依頼してください」
(出典:独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)『エアコンの内部洗浄による事故に注意』

また、性能面でもデメリットが目立ちます。市販のスプレーの噴射圧は弱いことが多く、熱交換器の奥までしっかり届きにくい場合があります。その結果、手前の汚れが残ったり、汚れが中途半端に濡れて逆にカビが増えやすい状態になったりするリスクもあります。さらに、プラスチック部品に洗浄液が付着すると「ケミカルクラック(ひび割れ)」を起こし、水漏れや破損につながる可能性が指摘されることもあります。

「数千円をケチった結果、火災や故障のリスクを抱えたり、修理・買い替えに発展したりする」可能性を考えると、素人が内部洗浄に手を出すのはハイリスクになりがちです。餅は餅屋、内部洗浄はプロに任せる――これが結局いちばん安全で確実な選択肢です。

フィルター掃除など自分でできる予防策

では、私たちユーザーが安全にできるメンテナンスは何でしょうか。それは基本中の基本であるフィルター掃除と、運転後の乾燥習慣です。ここは手間の割に効果が出やすいので、ぜひ押さえておきたいポイントです。

フィルターは空気の入り口です。ここがホコリで目詰まりしていると、エアコンが空気を吸い込む力が弱まり、内部の空気の流れが滞ります。すると冷却効率が落ちるだけでなく、結露水がスムーズに流れ落ちにくくなり、結果として内部に湿りが残りやすくなることがあります。この「湿りが残りやすい状態」が続くと、カビや臭いの原因になりやすいのです。

理想的な掃除頻度は、冷房シーズン中は「2週間に1回」です。面倒に感じるかもしれませんが、以下の手順で行えば意外と簡単です。

  • 外側から掃除機をかける:いきなりフィルターを外すとホコリが舞うので、まずは装着した状態で外側から掃除機で吸います。
  • 裏側から水を流す:水洗いする際は、ホコリが付いている面の「裏側」からシャワーを当てると、水圧でホコリが押し出されやすくなります。表から当てると目に詰まりやすいので注意です。
  • 完全に乾燥させる:これが最重要です。生乾きのまま装着すると、その湿気でカビが増える原因になります。タオルで水分を拭き取り、陰干しでしっかり乾かしてください。

また、最近多い「お掃除機能付きエアコン」を使っている方も油断禁物です。自動で取ったホコリを溜める「ダストボックス」がいっぱいになっていることに気づかず、長期間放置して汚れが悪化してしまうケースもあります。取扱説明書を確認し、ダストボックスのゴミ捨てやフィルター周辺の点検は定期的に行いましょう。

そして最大の予防策は、冷房を使った後にすぐに電源を切らないことです。必ず30分~1時間ほど「送風」運転(送風モードがない場合は内部クリーン機能の活用、または冷房を高め設定で短時間回すなど、機種に合わせた方法)で内部を乾かしてからスイッチを切る習慣をつけるだけで、カビや臭いの再発リスクは下げやすくなります。

エアコン内部が結露水で濡れている状態と、送風運転によって乾燥させている状態の比較イラスト。

また、冷房を使った後はすぐに電源を切らず、30分~1時間ほど「送風」運転(または内部クリーン機能)を行って、内部を乾かす習慣をつけることが最大の予防策です。

Gioのワンポイントアドバイス
掃除をした後のきれいな状態をキープするために、私は吸気口(フィルターの上)に貼るタイプの「防カビバイオ」を使っています。化学薬品を使わず、微生物の力でカビを抑制してくれるので、小さなお子さんやペットがいる家庭でも安心です。


貼るだけで半年くらい持つのでコスパも良いですよ。

改善しないならクリーニングを依頼する

「16度冷房を試しても、翌日にはまた酸っぱい臭いが戻ってくる」「吹き出し口から懐中電灯で中を照らすと、黒い点々(カビ)やモコモコしたホコリが見える」。このような状態であれば、残念ながらセルフケアだけでは限界が近い可能性があります。内部の汚れが進んでいる場合、表面だけの対策では臭いが戻りやすいため、プロによる分解クリーニングを検討する価値が高いです。

プロの業者は、エアコン周辺をビニールで養生し、専用洗剤と高圧洗浄機を使って、大量の水で内部の汚れを洗い流します。スプレー洗浄と異なり、汚れを含んだ排水を回収しながら作業するため、汚れが内部に残りにくいのが強みです(作業範囲や分解度合いは業者によって差があります)。

16度冷房でも改善しない、黒いカビが見える、2年以上未洗浄などのチェックリスト。

クリーニングを依頼する際の目安として、2026年時点での一般的な相場観を押さえておきましょう。地域や繁忙期(夏前・夏)によって変動しますが、おおよその基準になります。

エアコンタイプ料金相場(目安)作業時間
壁掛け(通常タイプ)8,000円 ~ 12,000円前後1時間 ~ 1.5時間
お掃除機能付き13,000円 ~ 19,000円前後2時間 ~ 3時間
オプション(防カビ等)+1,000円 ~ 3,000円前後+15分

業者選びのポイントは、価格の安さだけで選ばず、作業内容や補償の有無を確認することです。あまりに安すぎる業者は、分解範囲が狭かったり、保険に入っていなかったりするリスクも考えられます。「ドレンパンまで外して洗うオプションはあるか」「駐車料金はどうなるか」などを事前に確認しましょう。

1万円~2万円の出費は安くありませんが、カビや汚れが充満した空気を吸い続けるリスクや不快感を考えれば、健康と快適さへの投資として検討する価値は十分にあります。プロにリセットしてもらった後で、前述の「送風乾燥」などの習慣を続ければ、きれいな状態を長く維持しやすくなります。

各メーカーが推奨する臭い対策の機能

最後に、エアコンメーカー各社が開発している、最新のニオイ対策技術についても触れておきましょう。最近のエアコンには、これらのメンテナンスを補助してくれる便利な機能が搭載されています。これらを「知っているけど使っていない」のは非常にもったいないです。

  • Panasonic(ナノイーX): パナソニックの代名詞とも言える微粒子イオンです。冷房終了後に自動で吹出口を閉じて内部にナノイーXを充満させ、カビ菌やニオイ菌の抑制を狙います。あくまで「抑制」であり、生えてしまった黒カビを消す魔法ではありませんが、日々の予防として期待されています。
  • ダイキン(ストリーマ): ダイキンは「ストリーマ放電」という技術で、内部のケアを行います。内部クリーン運転中にストリーマを照射し、熱交換器やフィルターのカビ菌などにアプローチします。動作中に「ジー」という放電音や、わずかにオゾン臭がすることがありますが、これは機能が働いている証拠です。
  • 三菱電機(霧ヶ峰・はずせるボディ): 技術だけでなく「物理的な掃除のしやすさ」にこだわっているのが三菱電機の特徴です。「はずせるボディ」搭載機種は、前面パネルやルーバーだけでなく、風の通り道にあるパーツまで工具なしで開けられる設計のものがあります。これにより、ユーザー自身が一番汚れるファンや通風路を拭き掃除しやすい構造になっています。
  • 日立(凍結洗浄): 熱交換器を一度凍らせて、一気に溶かすことで、こびりついた汚れや油分を洗い流す技術です。人の手では洗えないフィンの奥まで自動で洗うことを目指した機能で、汚れの蓄積を抑える効果が期待されています。

特に、どのメーカーにも搭載されていることが多い「内部クリーン」機能(メーカーによって名称は異なります)は、電気代を気にしてオフにしている方もいるかもしれませんが、ニオイ予防のためには常時ON(自動設定)にしておくことを強くおすすめします。これは、冷房後に自動で送風や暖房を行い、内部を乾燥させる機能だからです。

エアコンの急に酸っぱい臭いを解決するまとめ

今すぐ消す16度冷房、毎日の送風乾燥、やってはいけないスプレー洗浄などの要点をまとめたイラスト。

エアコンから急に酸っぱい臭いがするのは、故障とは限らず、サーモオフによる「湿度戻り」現象と、内部に蓄積した「汚れ(カビ・皮脂・料理の油)」が重なって引き起こされるトラブルです。放置しても自然に直ることは少なく、対策が必要です。最後に今回のポイントを整理します。

  • 酸っぱい臭いの正体は、汗や油が変質した成分や、カビ由来の物質などが混ざったもの。
  • ニオイは、エアコンが冷房能力を絞る(サーモオフする)タイミングで、湿気とともに放出されやすくなる。
  • 緊急時の応急処置には「窓全開+16度冷房で1時間」で結露水による洗浄を狙う方法がある(水漏れに注意)。
  • 市販の洗浄スプレーはリスクが高いため慎重に判断し、根本解決にはプロの分解洗浄を依頼する。
  • 再発を防ぐ鍵は、冷房使用後の「乾燥(内部クリーンや送風)」を徹底して、カビや汚れに水分を与えないこと。

「たかがニオイ」と侮っていると、いつの間にかエアコン内部の汚れが進んでしまうことがあります。まずは今すぐできる換気や設定の見直しを試し、それでも解決しない場合はプロの力を借りて、深呼吸できる清潔な空気を取り戻しましょう。

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